本当の自由を手に入れる お金の大学(書籍紹介)

つばめ

2021年07月19日 11:27

    

     本書籍は、YouTuberの方がこれまで投稿した動画を書籍化したものです。失礼ながら

    著者を知りませんでしたが、数ヶ月前偶然立ち寄った本屋で目にして大変有益なので

    即購入を決断しました。


     本書は、お金について学び、お金にまつわる5つの力である①「貯める・支出を減らす力」

    ②「稼ぐ・収入を増やす力」、③「増やす・資産を増やす力」・④「守る・資産を減らさない力」
    
    ⑤「使う・人生を豊かにすることにお金を使う力」を鍛えることを目的としています。そして上記

    5つの力を手に入れることにより経済的な自由を手に入れることができると主張しています。

    数年前より盛んになっているFIRE(Financial Independence , Retire Early の略 

    投資等で金融資産を早期に形成した上で会社から早期退職を目指す考え)を促す本とも言

    えます。


     個人的にはFIREの考え方すべてに賛成というわけではないのですが、お金に関する知識

    の重要性は昔から認識しておりました。特に司法書士になり多重債務の業務を担うようにな
    
    りより強く思います。また本書でも述べられてますが、日本の公教育でお金について学ぶ

    機会が少ないようにも思えます。そのような中で本書は、図表を多用してお金に関する様々

    な知識を広く、深くそして分かり易く解説しています。


     特に驚いたのが、本書100頁から108頁までの賃貸物件の退去費用に関する説明です。

    賃貸住宅の退去については、国土交通省より「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が

    策定され、実務上の指針となっています。当方も賃貸トラブルで裁判業務の依頼を受ける機

    会があり何度か読む機会があります。本書の説明は細かい内容をとても詳しく説明されてい

    ます。この説明のわかりやすさが購入を決定づけた最大の要因でもあります。
     

     本書を読んで自分にとって特に有益だった箇所を2点取り上げたいと思います。1点目は

    本書34頁以下の保険に関する箇所です。本書では、「確率が低くかつ損失が大きい」分野

    に対して保険でカバーしそれ以外は別の方法にて対処すべきとしています。そして民間保険

    が必要なものは、①生命保険(例外あり)・②火災保険・③自動車保険 のみとしています。

    公的な社会保障を考慮すると、真に必要な保険は案外少ないと感じていました。人により

    必要な保険は変わると思いますが、必要か否かの判断材料を知ることができたのは有益

    でした。2点目は、本書80頁以下の賃貸VSマイホームに関する箇所です。持ち家か賃貸か

    は、永遠の論争でもあります。本書では「リセールバリュ」という観点からこのテーマを考え

    ています。これまでに触れたことのない発想でとても有益でした。
    

 
     最後に本書113頁で「消費と浪費を混同しない」との題して必要なもの(消費)と欲しいもの

   (浪費)を分けて考える重要性を指摘しています。この考え方は、以前本ブログでも紹介した

    『あぶない家計簿』の著者である横山光昭氏も主張されていました。金銭管理をしっかり行う

    上で、消費と浪費を分けて行動することの大切さを改めて認識しました。

     

   目次
 
     STEP0 経済的に自由になるための基本 
 
     STEP1 《貯める》―支出を減らして貯蓄を増やそう―
               
            ⇒通信費を見直そう

            ⇒光熱費を見直そう

            ⇒保険を見直そう

            ⇒家にかかる費用を見直そう

            ⇒車にかかる費用を見直そう

            ⇒税金について知ろう

     STEP2 《稼ぐ》―稼ぎを増やして蓄財ペースを上げよう―

            ⇒導入:転職・副業で稼ぐ力を育てよう

            ⇒転職

            ⇒副業

            ⇒NG!こんな副業は避けろ
 
     STEP3 《増やす》―貯蓄を投資にまわして資産運用しよう―

            ⇒準備編

            ⇒株式投資

            ⇒不動産投資

     STEP4 《守る》―形成した資産を守ろう―
 
     STEP4 《使う》―人生を豊かにすることに使おう―

                                              以上

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