2018年05月18日
NPO法人と一般社団法人なにがどう違う?(特に設立手続を中心に)第2回
第2回は、NPO法人の設立手続と組織構成について取り上げます。
(1)設立手続
①発起人会の開催
→設立企画者(発起人といいます)が集まり、定款や設立趣意書など設立認証に必要な書類
の原案を作ります。
②設立総会の開催
→設立当初の社員(組織の構成員、株式会社でいう株主みたいな立場の人です)が集まり
法人設立の意思決定を行い、定款や設立趣意書など設立認証に必要な書類を審議決定
します(*1)。
③設立認証の申請
→所轄庁(政令指定都市や都道府県)へ申請書類を提出。形式上の不備がなければ受理
されますが、提出前に打合せを行えば、申請後の手続が比較的スムーズに進むでしょう。
④申請書類の縦覧期間(1ヶ月)
→申請書類を一般市民に公開します。縦覧期間を設ける趣旨は、申請団体が不適切な団
体ではないか一般市民のチェックを受けるためとされています。以前の縦覧期間は2ヶ月
でしたが、平成28年改正で短縮されました。地方自治体によっては、縦覧期間を条例で
短縮しているケースもあります。
⑤認証・不認証の決定(縦覧期間終了後2ヶ月以内)
→認証の場合は、認証書が発行されます。不認証の場合は、理由を示した書類が発行さ
れます。④と併せて考慮すると、認証手続に通常3ヶ月はかかることになります。
⑥設立登記の申請
→認証書が到達して2週間以内に、主たる事務所を管轄する法務局へ登記申請を行い
ます(*2)。
⑦登記完了・法人格取得
→完了後、所轄庁へ登記完了報告を行う必要があります(その際、法人の登記事項証
明書と財産目録も要提出)。
*1認証に係る必要書類は以下のとおり(特定非営利活動法人促進法第10条)
①申請書(所轄庁のHPにひな形が準備されていることも多いです)
②定款
③設立趣意書
④役員名簿
⑤役員の住民票(原本)
⑥設立総会議事録(設立の意思決定を証する議事録のことです)
⑦役員の就任承諾及び誓約書の写し
⑧10名以上の社員が掲載された社員名簿
⑨設立初年度及び翌年度の事業計画書
⑩設立初年度及び翌年度の活動予算書
⑪法人が宗教・政治団体や暴力団関係の団体で「ない」ことの確認書
*2 申請書以外の添付書類は以下のとおり
①定款
②代表権を有する者の資格を証する書面
→就任承諾および誓約書のことです。
③資産の総額を証する書面
→設立当初の財産目録を添付します。
法人によりますが、通常が財産ゼロのケースがほとんどでしょう。
④所轄庁発行の設立認証書
・代理人申請の場合は委任状が必要です。
・定款で主たる事務所の所在地を最小行政区画(例えば、福岡市博多区など)まで
しか定めていない場合、本店所在地を決定したことを証する書面(理事会議事録)
も必要です。
(2)組織構成
社員総会
(最高意思決定機関)
*最低10名の社員が必要。
↓
役員
*理事3名以上、監事1名以上必要。
*社員の中から選んでかまいません。
次回は、一般社団法人の設立手続をご紹介します。
当ブログは、過去に3年ほどNPO法人の役員経験のあった司法書士による
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Posted by つばめ at 10:31│Comments(0)
│商業登記